2023/02/04 10:27

 東京でサラリーマンをやっていたころ自宅で

「ビックリおかずコンテスト」

を開催したことがあります。

単独で食べるのが普通だと思っていたメニューが、実は

「ご飯のおかずにも最適」

ということを証明する試食会です。

最初の挑戦者は東京・月島出身のA君。

鉄板持参で、我が家の定番メニューという「もんじゃ焼き定食」を作ってくれました。

小エビや豚肉、チーズなどが入ってなかなかでした。

でも、おかずにはちょっと…。

次の挑戦者は大阪出身のB君。

マイたこ焼き器で作る「たこ焼き定食」。

マヨネーズがかかって味が派手なだけに結構ご飯が進みました。

おやつのような味の「もんじゃ焼き」では「たこ焼き」には太刀打ちできません。

B君は勝ち誇り、A君はしょんぼり。

最後は長崎代表の私の番。

ズバリ「皿うどん定食」。

しかも昨晩作った「二日目の皿うどん(長崎人はよく出前で大盛りの皿うどんをとります。

残った翌日の皿うどんは、二日目のカレーのようなものなのです)」。

パリパリだった麺は、とろみスープが染み込みこんでしっとり麺に。

専用の「金蝶ソース」を豪快にかけてご飯といただく。

果たして…、満場一致の大勝利。

「さすがは長崎」と絶賛の嵐でした。

 何故このような思い出ばなしをしたかと言えば、これこそが
「江戸の仇を長崎が討つ」
の語源通りのエピソードだったからです。
「意外なところで仕返しをする」
という意味で使われる「江戸の仇を長崎で討つ」ですが
これは間違って伝わった言葉で、正確には「で」ではなくて「が」。
江戸時代の話。
大坂の職人がつくった篭細工が、江戸の見世物小屋で評判を呼びます。
シャクにさわった江戸職人が勝負を挑むも惨敗。
そこに現れた新たな挑戦者が長崎のガラス細工人。
ギヤマンとビイドロを駆使し異国の風物を表現した細工に観客の人気が集中
大坂職人を圧倒しました。
これが「江戸の仇」の正しい由来。
一体いつ、どこでどうしてああいう意味になってしまったのでしょうね。
2013年4月27日発行の『月刊てりとりぃ第38号(5月号)』に掲載されたテキストの再録です